ITコーディネータの生い立ちと活動

(1) 経営戦略とITをつなぐ人材の必要性

ITコーディネータ(以下ITC)は、1999年6月の経済産業省産業構造審議会情報産業部会人材育成小委員会の中間報告「戦略的情報化投資による経済再生を支える人材育成」で取り上げられた。

報告書のなかで、「コンピュータユーザにおいて、戦略的情報化投資を活性化するための人材を企業内部に抱えることは容易ではない。一方、ITベンダーは、ソリューションの提供のための大企業向けのITコンサルタントは確保しているが、中堅企業等向けのソリューション提供のための人材を育成・確保することは難しい」との分析をしている。

これを解決するために、「戦略的情報化のビジョンを示し、これを設計するのみならず、システムインテグレータ等がシステム構築を実施する場合にもアドバイザー的に働き、これが無事に稼働するまで一貫して関与し続けるような経営戦略とITをつなぐ人材」、即ち、「ITコーディネータ」が必要であることを提言している。更に、「ITコーディネータ」の認定制度を創設することも併せて提言している。

また、報告書では、「ITCの資質」にも言及しており、以下の点を上げている。

1.一定分野の業務知識

2.ヒューマンコミュニケーション能力

3.ビジネスプロセスの分析能力・抽象化能力

4.抽象化されたビジネスプロセスの中で、それぞれの業務をIT系に委ねるか、人間系に任せるかを判断する能力

5.情報システムの青写真の構築能力

6.システム開発のマネジメント能力

 

(2) ITC協会の発足

上記の認定制度創設の提言に基づき、ITC協会は、「ITコーディネータの認定・育成・普及・啓蒙等を通じて、企業や団体の経済活動における戦略的な情報化投資の浸透と、活力ある経済社会の発展など、広く公益の増進に寄与すること」を目的として、2001年2月に発足した。

 

(3)ITCの能力

上記の「ITCの資質」を担保するために、ITC協会では、ITCプロセスガイドラインとITCカリキュラムガイドラインを作成し、ITC資格者の育成を進めている。

ITC資格取得には、企業の経営戦略からIT戦略策定、IT資源調達、IT導入、ITサービス活用の5つのITCプロセスについて、15日間のケーススタディによるITC実践研修の受講が義務づけられており、更に、筆記試験の合格をもってITCに認定されることになっている。

 

(4)ITCの全国的活動状況

2008年現在のIT資格保有資格者は、全国で6,500名である。ITC協会への届けで組織 は、全国合計181である。このうちNPO等のビジネス指向法人は96であり、それぞれが、地域のIT経営の推進に向けて活動している。

 

(5)ITCふくしまの活動

ITCふくしまは、任意団体として、2002年に発足している。2003年1月より、経済産業省の補助事業としての経営者研修を開始している。その後、経営者研修を毎年継続的に実施しており、すでに、100社以上の経営者の方が受講されている。

その他、福島県より「高度IT人材育成事業(経営者・CIO育成研修会)」、「提案型IT技術者養成講座」等の受託により、福島県のIT化促進のための支援活動を実施している。

 

以上